船底塗料はどれくらいの頻度で塗る?全国の目安と瀬戸内の実例を徹底解説

船底塗料はどれくらいの頻度で塗る?全国の目安と瀬戸内の実例、自己研磨型の塗り方まで徹底解説

若い漁師風の女性が船底を高圧洗浄している様子
塗装前には高圧洗浄でフジツボや汚れをしっかり落とします。

船底塗料の塗り替え頻度は、船を所有する方なら必ず気になるポイントです。この記事では、全国的な船底塗料の塗り替え目安から、瀬戸内海のような付着が早い海域での実例、さらに自己研磨型船底塗料の選び方や塗り方まで、現場目線でわかりやすく解説します。


船底塗料はどれくらいの頻度で塗り替える?

全国的な目安としては、半年〜1年に1回が一般的です。

  • 漁船・遊漁船:半年〜1年
  • プレジャーボート:1年に1回

ただし、これはあくまで全国平均であり、海域によって付着スピードは大きく変わります。

「塗り替えを減らせば経費が浮く」は実は逆

塗り替えを先延ばしにすると、フジツボや海藻が付着 → 速度低下 → 燃費悪化という悪循環になります。

  • 15ノット → 12〜13ノットまで低下
  • 同じ速度を出すには200〜400回転アップ
  • 燃料消費が5〜10%増えることも

年間で見ると、余計な燃料代が塗り替え費用を上回るケースも珍しくありません。


瀬戸内海は付着が早い海域

瀬戸内海は全国的に見ても、フジツボや海藻の付着が早い海域です。

  • 海水温が高い
  • 栄養が豊富
  • 水の動きが穏やか

この3つが揃うことで、付着生物の繁殖が一気に進みます。そのため当店のお客様では、 年2回の塗り替え(3〜5月/10〜12月)が一般的です。

また、真夏は気温が高く熱中症リスクもあるため、作業を避ける方が多いのも特徴です。


自己研磨型船底塗料の選び方(当店は自己研磨型のみ取り扱い)

船底塗料の缶とローラー・刷毛・マスキングテープを並べた商品紹介画像
当店で取り扱っている自己研磨型塗料と塗装道具の一例です。

自己研磨型は、船が走るたびに塗膜が少しずつ削れ、常に新しい面が出るタイプの船底塗料です。 瀬戸内のように付着が早い海域と相性が良く、多くのお客様に選ばれています。

漁船向け

  • 停泊時間が長い
  • 低〜中速での運用が多い

防汚力強めの自己研磨型がおすすめです。

遊漁船向け

  • 走行距離が長い
  • 速度も出す

耐久性と防汚力のバランス型が向いています。

プレジャーボート向け

  • 週末だけ動かすことが多い
  • 停泊時間が長い

防汚力重視の自己研磨型が安心です。

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船底塗料の塗り方|底面1回・側面2回が最適な理由

ここからは、実際の作業現場で行われている塗装手順を、ポイントを絞って紹介します。

底面(キール周り)は1回塗りでOK

  • 日光が当たらず、フジツボや海藻が繁殖しづらい
  • 1回塗りで十分な防汚効果が期待できる
  • 塗りにくい場合は専用シンナーで薄めてもOK

側面(喫水線付近)は原液で2回塗りがおすすめ

  • 最も付着が多い部分
  • 原液でしっかり2回塗りすることで塗膜の厚みを確保
  • 防汚効果が長持ちし、塗り替えサイクルも安定

基本的な作業手順

  1. 高圧洗浄で汚れ・付着物をしっかり落とす
  2. 旧塗膜の剥がれ・膨れ・ザラつきをチェック
  3. 必要に応じてプライマー(下塗り)を塗布
  4. 船底塗料を塗る(底面1回/側面2回)
  5. 気温・湿度に応じて半日〜1日しっかり乾燥させる

塗り替えをサボると燃費が悪化する仕組み

フジツボや海藻が付着すると、船底の抵抗が増え、エンジンに負荷がかかります。

  • 速度が落ちる
  • 同じ速度を出すために回転数を上げる必要がある
  • 結果として燃料消費が増える

つまり、塗り替えをしない方が長期的には経費がかかるという状況になりかねません。


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松田漁業用品店では、瀬戸内の現場で実際に使われている 自己研磨型船底塗料を中心に取り揃えています。

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まとめ

  • 船底塗料の塗り替え頻度は半年〜1年が目安
  • 瀬戸内海は付着が早く、年2回の塗り替えが合理的
  • 自己研磨型船底塗料は瀬戸内と相性抜群
  • 底面1回・側面2回塗りが、防汚効果と作業効率のバランスが良い
  • 定期的な塗り替えは燃費改善=長期的な節約につながる

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